一人暮らしの成功のカギを握っているのは、なんと言っても「部屋探し」につきるかと思います。初めての一人暮らしならば、部屋探しも初めてであるはずなので、心配や不安がありますね。事前に準備をして、迷わずに部屋探しをして、スムーズに一人暮らしをスタートしましょう。
暮らしたい部屋を見つけるためには、まず自分がどんな部屋に住みたいかを明確にしていくことが必要です。漠然と「こんな感じ」というイメージではなくて、具体的にしていくためには「条件を絞る」ことが大切です。
部屋を決める際に一番気になるのが「家賃」だと思います。初めての一人暮らしで物件を借りるときには、「どのくらいの家賃の部屋に決めたらいいのだろう?」と思いますね。
家賃の上限は、「管理費込みで収入(手取り)の3分の1」が大体の目安だといわれています。例を上げてみると、手取りで24万円の月収の人は8万円を上限に部屋を探すといいです。
残りの16万円で、食費、光熱費、通信費、交際費、貯金などにあてていくと考えるとわかりやすいと思います。
「●●駅から徒歩10分以内じゃないとダメ!」などと、住みたいエリアを限定してしまうと、部屋の選択肢が減ってしまうためよくありません。
いくつか最寄の駅になりうる駅を決めておきましょう。駅から近いと家賃は高いです。駅から遠ざかるほどに家賃は下がっていきます。
バスを使ったりする場合はもっと下がります。また、乗換えをせずに都心の主要駅に行くことができたり、
快速などで通過駅にならず停車する駅の場合は、家賃が高くなります。
部屋の広さは平米(㎡)で表記されることが多く、1畳は1.62㎡です。6畳の居住スペースに2畳ほどのキッチンが付いた、いわゆる1Kの物件で18㎡と考え基準にしましょう。
一人暮らしの場合1Kは大体17~20㎡で紹介されています。お風呂とトイレが別々の場合は、少し広めになり家賃も高くなります。
「とりあえず、不意動産屋さんにいってみよう」と、部屋を借りるあなたの考えが漠然としていては、不動産会社の人も困ってしまいますね。
せめて「いつから、部屋に住みたいか」ぐらいは決めて不動産会社にいきましょう。春と秋は引越しのシーズンです。物件が少なくなり選択肢が減ってしまうので、早めに行動できるといいですね。
物件を探すときに、具体的な条件を手がかりに決めていくことになりますが、優先順位をつけると迷わずに決めていくことができますね。
具体的な条件とは、「築年数」「騒音」「日当たり」「構造」「バス・トイレ別」などです。
新築の物件は家賃が高くなります。新築と築10年以上の物件を比べてみると、同じ広さの場合1万円以上、家賃に差があります。
線路沿いの物件は、電車の騒音があるので家賃は安くなります。静かに部屋で過ごしたい人には向いていません。「楽器可」などの物件は、線路沿いに多いです。
南向きの部屋は日当たりが良いので明るく温かいです。北向きの部屋は日当たりがよくないため暗くて冬場はなかなか暖まりません。。日が入るかどうかで、部屋の明るさや温かさが変わってくるため、光熱費にも影響があります。
建物の構造は「木造」や「鉄骨造」「コンクリート造」などがあります。構造によって、騒音や冷暖房の効き目が変わってきます。
コンクリート造のマンションなどは木造のアパートに比べて防音効果があるので、騒音対策になりますが家賃は高くなります。
お風呂場にトイレがあるのが嫌な人もいると思います。お風呂とトイレが別に設置してある部屋の場合は、一緒の部屋よりも広さをとるので家賃は高めになります。
上記の条件がおおまかな部屋を決めるときの条件です。人によって優先順位が違うと思います。自分が優先する条件をしっかりきめておくことが大切ですね。
賃貸する物件を比較検討するために情報を集めていきましょう。
賃貸情報誌はその情報誌が配布されている地域から比較的近い範囲の物件情報を知ることができます。
どんな物件がどんなエリアに多くあって、家賃の相場がいくらぐらいかなど知ることができます。不動産会社を探すのにも役立ちます。
住みたい地域のそばの不動産会社にいくと、おすすめの物件を窓に貼り出しています。
店の中に入る必要がないうえに、情報誌やインターネットでは公開されていない物件の情報が入手できる場合もあります。
不動産情報サイトは、近場の物件情報はもちろんのこと、引越し先が遠い場合にも役に立ちます。カテゴリーごとの検索もできるので、条件に応じてピッタリの物件を紹介してくれる。
条件が決まって、ある程度情報収集がすんだら、力になってくれる不動産屋さんを探しましょう。
不動産屋さんの店頭やチラシに書いてある「東京都知事(1)12345」というような番号は、不動産業の免許番号です。大事なのは()の中の番号です。()の中の数字は免許が更新された数です。
免許交付時は1になっています。免許更新は5年に1度なので、6年は(2)。11年は(3)ということになります。()の中の番号が大きいほど営業時間が長いということで、信頼の目安になります。
広い範囲で物件を探すのであれば、大手不動産会社が有利です。「●●線沿線」などの広範囲で検索するには、物件数が多いほうが気に入る部屋が見つかる可能性は高いですね。
地域が「●●線□□駅」などの特定の街などに限定できるのあれば、地元の不動産会社のほうがいいです。地元の不動産会社どうしだけで共有してる物件も多いからです。
不動産会社の業務体系には主に3つの種類があります。
チラシには物件を選ぶうえで重要な情報が載っています。希望通りの部屋を見つけるためにしっかりとチェックしておきましょう。
部屋はチラシを眺めたり、インターネットで検索していても、不動産会社に行かないことには借りることはできません。不動産会社に訪問する際に気をつけることをまとめてみましょう。
人に物を貸すときに「ちゃんと返してくれなそうなだらしない人」には貸したくありませんよね?不動産会社もそれと同じで、「だらしなくて信用できなさそう」な格好の人には、部屋を貸したくありません。
清潔で印象のよい服装でいくことが望ましいですね。そのまま物件の下見に行くことがあるので、靴は脱ぎやすいものを選びましょう。
賃貸の目的を伝えて、物件の情報を見せてもらいます。アンケート用紙などで条件を記入して、あてはまる物件を紹介してくれる場合が多いです。
このときに「自分が住みたい部屋の条件」「自分がゆずれない条件」を明確にしておくと、スムーズに紹介してくれます。
不動産会社には「一人暮らし」の場合できるだけ一人で行くことが望ましいです。恋人と一緒に行ったりすると、「同棲するのかな?」と思われたり、
友達と行くと「一人暮らしといっているけど、ルームシェアするんじゃないか?」と、契約とは違う使い方をされるのではないかと不信感を与えてしまいます。
物件を借りるのの「契約」のひとつです。しっかりとした態度で臨みましょう。
お目当ての部屋が決まったら、いよいよ物件を下見に行きます。
間取り図からは、広さやドアの数、収納などおおまかなことはわかりますが、天井の高さや部屋の色、日当たりなどはわかりません。
実際に部屋に行って体感してみるとイメージとは違うということもあります。収納の広さや、コンセントの数、水周りのことなど、細かい場所のチェックを忘れずにしましょう。そして疑問に思うことはわかるまで質問しましょう。
部屋を借りるとなると「部屋の中のこと」ばかりに気がいってしまいますが、外の環境を確認しておくのも大切です。近所は静かな場所か?車の通りの多い場所か?駅までの経路は?買い物は近くでできるのか?など、部屋の外のことも生活の大きく影響します。しっかり確認しておきましょう。
朝・・・通勤時間に駅までの道はどのくらい混雑するのか、自転車を使って通勤する場合は自転車置き場の有無もチェックしましょう。「徒歩●●分」と所要時間が示されている物件がほとんどですが、実際に自分で歩いて確認してみることが大切です。
昼・・・昼の時間を部屋で過ごすことを仮定して確認しましょう。昼を部屋で過ごすということは、休日を想定してということですが、騒音や日中の日当たり。コンビニや商店街、スーパーの場所。病院や銀行へのアクセスなどを確認しましょう。営業時間も調べておくといいですね。
夜・・・帰宅時間を想定して部屋や周りの環境を確認しましょう。商店街は何時まで営業しているのか?帰り道は明るい通りか、暗い人の気配が少ない場所か?夜の雰囲気を確認しておきましょう。
1日をかけてどんな環境条件の物件なのかをしっかりと確認し、自分のライフスタイルにあっているかどうかを見極めましょう。
下見をした物件をイメージと照らしあわせをして、よく検討をしましょう。その後、日を改めて不動産会社を訪問し、申し込みの手続きをします。
不動産会社は大家さんに借主になる人の情報詳細を伝える必要があります。大家さん側で審査をしてもらうために、住所、氏名、月収や勤め先の情報を申し込み書に記入します。
物件を借りるための意思表示として、「申込金(預かり金)」を払う必要がある場合があります。これは、「一時的に預けるお金」のことですので、トラブルにならないように次のことに気をつけましょう。
不動産会社の「宅地建物取引主任者」があなたが借りる物件の詳細と、契約の内容について説明をしてくれます。
いままで、受けてきた説明と同じで、疑問に思うところがないかしっかりと確認しましょう。わからないところはわかるまで質問しましょう。
この説明は資格のある人にしかできない業務なので、必ず「顔写真入りの資格証明書」を提示することが義務になっています。こちらも、確認を忘れずに。
納得できないところがなくなるまで内容を確認して、あなたの署名と捺印をします。契約書を受け取って、初期費用を支払いが済み次第、あなたが入居する部屋の鍵が渡されます。
契約において一番大切な情報が書かれている契約書です。見落としのないようにしっかり目を通しましょう。
家賃の支払日はいつかをはっきりと確認しましょう。遅れてしまったときにはペナルティがある場合があります。また、遅れてしまいそうなときに連絡をする連絡先を把握しておく必要があります。「遅延損害金」というルールもあるので、家賃の支払いはきちんとしましょう。
部屋を退去することになった場合、誰に、どういう手順で退去の連絡をするかを確認する。一般的には、1ヶ月前までに書面にて契約した不動産会社へ連絡する場合が多い。
退去の際に原状回復をさせて返さなくてはいけないので、その基準を確認しておきましょう。基準が明確にしめされていないときは、基準をしっかり聞いて確認しておくことが必須です。あいまいなままだと、退去のときにリフォーム代を全額請求される恐れがあります。トラブルをさけるためにしっかり確認しておきましょう。
「あたりまえのルールを守っていれば大丈夫」と確認をおろそかにしがちなのが、禁止事項です。よく、トラブルになりがちなのは、「ペット禁止」や「楽器不可」などの禁止事項です。あとから勝手に同棲や同居をはじめたりすることなども、一人暮らしで契約した場合は原則にとして認められません。契約違反にならないようにしっかり確認しましょう。
契約によって特約の契約事項があったりします。「明け渡し要求をした場合は、即刻退去」などの厳しい特約もあるので、要確認です。
以上、一人暮らしの部屋探しに必要なポイントをまとめてみました。押さえるべきポイントはたくさんありますが、順番どおりに確認をしていけば難しくはありません。
スムーズに一人暮らしをはじめるためにも、部屋さがしも問題なくすすめたいものですね。